都立高校からイギリスへ

都立高校からイギリスへ

普通の日本人の私が、UCLのファウンデーションコースを経てUKの大学に行くことにしました。

UPCH 入る前にやっておいてよかったこと【授業予習関係】


こんにちは。お元気ですか?(誰に向かって?)

 

私がブログを放棄してNoteで喚いている間にも、View数は地道に伸び続けて、いつの間にかトータルで10000Viewを超えていました。もうUPCHの出願それ自体について書くことはないですが(書きたいことは全て書いたので)、UPCHに合格〜UPCHを卒業するまでの話、学部コースや生活のHow To系、それから就活については、もうちょっと書こうかなと思っています。

 

特に就活については、またひとつ、大きなHow Toとして広がる分野にもなるので、成功しようと失敗しようと記事を上げると思います。

 

というわけで(どういうわけで?)今回は、今振り返ってUPCHに入る前にやっておいてよかったな〜と思うことをまとめておきます。よく質問される内容でもあります。いや、あと1週間もしないうちにUPC始まるが?と全方向から聞こえてきますが、来年再来年入学志望の人も多く見ていただいているということで…

 

 

私はアカデミック英語、ARAM(Academic Research Approach and Methods), MEHP(Modern European History and Politics), GABE (Geography and the Built Environment) をとったので、その内容を記します。これは政治学・国際関係論系の社会科学に進む人によく見られる履修方式だと思います。

・ARAM(Academic Research Approach and Methods)/アカデミック英語

こんな内容:

やる内容が似ているので、まとめて。この二つはアカデミック英語・文系のエッセイの書き方・リサーチの仕方や図書館の使い方などをやる科目。大学でいう教養課程の最初の最初、大学へのオリエンテーションみたいな部分もあると思います。

中身がかなり抽象的なので、実際UPCHのクラスメイトは退屈しきっていましたが、これは大学で本当に役に立ちますから、真面目にやっておいた方がいいです。後からわかる大切さ。

対策:

11月の半ばにReference Testという成績に入る中間テストがあります。これは論文などを書く時に、参考文献をどのように引用するか及び文末に参考文献一覧として載せるか、を学んだ上で、任意の参考文献(本、アカデミックな論文 Journal Article、国際機関のレポートなど)を正しく引用できるかを見るテストです。

唐突に大学でやるとビビるので、先に以下のサイトから主要なものを見ておきましょう。シカゴ式・APA式など色々な方式がありますが、UCLは基本Harvard形式なのでこれを見ておけば大丈夫だと思います。

library-guides.ucl.ac.uk

見ておくと便利なのは、

・本(Books)全般:作者が複数人の場合、1人の場合含む

・論文(Journal Articles)全般:作者が複数人の場合、1人の場合含む

・教科書(Edited Books)全般:編者がいるタイプの本の章はどのように引用するのか

・公的機関のレポート(Government Publishments):著者がいないが、団体の名前のもとでレポートが出ている場合

・批評文(Review):誰か別の人の本について、他の人が反論しているタイプの論文

で、Referenceの仕方(参考文献リストに書き入れる方法)と、Citationの仕方(文中でどのように入れるか)の両方を見ておきましょう。それぞれ作者の数とかで変わるので、意外と混乱します。

すこぶる面倒ですが、大学に入ったら「できないと課題が終わらん」になるので、どうぞ今踏ん張っておいてください。私はUPC入る前に親に英語の個人教授をつけてもらってやった結果、テストも高得点でパスしたし、今ほぼ問題なくできるようになったのでありがたかったな〜と思っています。

ちなみに紙媒体で教科書が欲しい人は、

Cite Them Right: The Essential Referencing Guide (Bloomsbury Study Skills): Amazon.co.uk: Richard Pears, Graham Shields: 9781350933453: Books 

が一番包括的にまとまっています。UPCが対面の年は全員に配られるという説もありますが、私はオンラインだったのでわかりません…手元に一冊あると、辞書みたいに使えるので便利だな!と思っています。紙の方が好きな人は一回図書館で見てみても良いかも。ハーバード式だけではなく、全ての様式をコンパクトにまとめているので良いです。

・GABE (Geography and the Built Environment)

こんな内容:

地理学と名前がついているが、「社会科学導入」という感じで、政治学社会学を学ぶ際にもその基礎となる内容を扱う。国際関係論とかにも後々繋がってくる部分がありました(大学1年目を終えたのでわかる)。

対策:

特に必要なし。この科目は先生が留学生を教えるのに慣れている上に、スライドなどをとても丁寧に作られるので、予習よりは毎回の授業の内容を理解し、論文とかを読んでいく方が大事。授業について行くようにしてください。

あと、2学期の後半に建築学の話になる(ル・コルビジュエについてとかモダニズムについてとか)と途端に難しくなりますが、毎年みんなヒーヒー言いながら乗り越えているので、そういうものだと思ってください。去年からセミナー担当の院生が変わったので、また話が違うかもしれませんが……(去年は文系に日本人がいなかったので、情報が入ってきていないです、すみません👈?)

・MEHP(Modern European History and Politics)

こんな内容:

歴史、と書いているが、正しくはModern European History of Political Thoughtsだと思う。西洋哲学史・後半に冷戦史と国際関係論の基本を取り扱う。

対策:

①授業で扱う内容をカバーしておく

ヨーロッパ哲学史の部分では、16−18世紀啓蒙思想フランス革命、19世紀ドイツ統合をやります。事実関係などは高校で世界史をそこそこまともにやった人であれば(ここでいうそこそことは、「一応センター・論文向けの授業は履修していたけれどあくまで趣味で実際に入試とかで使うほどの緊迫感を持ってはやっていなかったな〜」位の本当のそこそこです)大丈夫です。

が、突然英語で人の名前が出てくると途端に世界が変わって見えるので、英語で内容だけ見ておくといいと思います。事前にUPCから送られてくるおすすめの本でも紹介されていますが、

A Concise History of Modern Europe: Liberty, Equality, Solidarity: Amazon.co.uk: Mason, David S.: 9781442205345: Books (フランス革命、ドイツ統合の章だけでいい)

の関係ある章とか、おすすめはされていないですが自分がよかった

An Introduction to Political Philosophy: Amazon.co.uk: Wolff, Jonathan: 9780199658015: Books (ホッブス周辺の啓蒙思想家)

を見ておくと便利だと思います。上の2冊はかなりわかりやすい英語で書かれている(ファンデーションコースに入る前に読んでもわかるくらい、大学1年が終わって見てみるとかなりわかりやすい)ので、触れやすいと思います。

国際関係論については、何かしらの媒体でRealism (Neo含む), Liberalism(Neo含む), Constructivism, Critical Theories (Marxism, Feminism) を扱っておくとスムーズです。自分はCourseraという無料のオンライン教材を使って、一周してからUPCに入ったので、「知ってる〜」という感じで新たな視点から補強していく、みたいにできたのでよかったです。

Coursera | Online Courses & Credentials From Top Educators. Join for Free | Coursera

ちなみに使う教科書は

The Globalization of World Politics: An Introduction to International Relations: Amazon.co.uk: Baylis, John, Smith, Steve, Owens, Patricia: 9780198825548: Books

ですが、これは学部1年の「国際関係論理論」でも使うし、日本でも英語で教える人が触れていたりするので、かなり基本書・バイブルだと思います。UCLの図書館で無料で読めるので、この基本的な章をさらうのもありです。

自分は文章で情報を入れるよりも、映像や講義で見る方が取り組みやすいな!と思ったので、最初はオンライン教材でやりました。

 

ちなみに政治学のバイブル的なものは、

By Andrew Heywood Politics (Palgrave Foundations Series) (4th edition) : Andrew Heywood: Amazon.co.uk: Books

で、これも基本書として学部まで使いますが(自分はThe Globalization...とこのPolitics...を本の形で手元に持っていますが、かなり使うのでよかったなと思います。紙媒体で買えと言いたいのではなくて、便利だよということ。重いから紙では買わない方がいいよ)、政治学の本は論点がとても多く自分でやろうとすると詰むので、むしろ主要な啓蒙思想家・功利主義思想家あたりを抑えておいて、授業で論点別に扱って固める方がいいのではないかな、と自分では思いました。

 

以上、めっちゃ書いちゃった……授業の予習ではないもの関係は大した量がないので、また別の記事でまとめようと思います。

何卒!