都立高校からイギリスへ

都立高校からイギリスへ

普通の日本人の私が、UCLのファウンデーションコースを経てUKの大学に行くことにしました。

よく聞かれる質問まとめ

こんにちは。

よくメール等経由でいただく質問への回答をまとめておこうかな、と思います。これは別に「ここに書いてあるからメールしてくるな」と言いたいわけではなくて、このブログに辿り着く人は多分こういうことを聞きたいんだろうな〜と思っているので、その概要としてブログの一番上に来るように貼るものです。

私が受験したのはもう4年前になってしまったので、情報が古くなっているところもあると思います。あくまで参考程度に使って頂ければと思います。

 

●どうして留学したのですか?

高校1年生あたりで「将来進学するのか?」ということを考え始めた時に、自分は新しいことを学ぶのが好きなので、きっと大学にはいくだろうな、と仮定しました。

その上で、じゃあ4年だか3年だかの大学生活に期待することとは何かと考えてみた際に、

①ワクワクし続けたい

②日本という国の姿を理解できるようになりたい

という2つの目標を立てました。①については、高校で2週間ずつオーストラリアとイギリスに行ったことがあって、その時に「英語で勉強するのも頑張ればどうにかなる」という気持ちと、文化の違いみたいなのに触れ続けるのは楽しいな〜と思った記憶があったので、そのような経験を期待して、生活でも勉強でも新しいものに触れ続けたいしびっくりし続けたいと思うようになりました。

特に②について、自分は元から日中韓の教科書問題みたいなところに興味があり、日中韓で語られるステレオタイプのようなものからから一歩引いて外から日本を眺めてみたいな!と思ったこともあり、海外に行くことにしました。

●どうしてイギリスにしたのですか?

国を絞っていく中で、

①教科書問題を政治・国際関係論の視点から眺めたい→政治と国際関係論が強い(発祥の地である)本場イギリスで学びたい

②大学に行くなら良い成績で卒業したい→学部入学のために必ず準備コースを経なくてはいけないイギリスで、きちんと用意してから学士号に進みたい

と思いイギリスにしました。

●どうして今在籍している大学にしたのですか?

①多様性の豊かな大学(あとかなりリベラル)な大学で色々な人の視点に触れてみたかったからです。

②レベルの高い大学で学び高かったからです:留学できればいいや、というのではなくて、院進学を見据えて、同時に4年間を無駄したな〜と思うことがないように、できる限り(自分が思う)上の大学にいきたいと思いました。

ちなみにここまで3つの質問は、奨学金に進学した関係でかなりしっかりまとめたし、就職活動の時にもかなり聞かれていたので、その影響で後から美化されたり整理されたりした傾向があると思います。実際に考えていたときはもっとミーハー的な「海外行ってみて〜〜〜」という気持ちもありました。それでいいじゃんね。

●日本の大学は受験しましたか?

しませんでした。センター試験は逃れられなかったので受けましたが、高校の同級生と比べても低い水準にいたと思います。国公立はかなり受験を勧められましたが、たとえ合格しても入学金を払ってもらって半年行くのは馬鹿らしいと思ったし、受験費用もバカにならないと思いました。普通に勉強が面倒くさかったのもあります。受ければ受かるもんでもないので……

思えばこれは一つの後悔ポイントで、当時もし自分の稼ぎがあったなら、受験して入学金を払って半年だけ在籍していたかなと思います。日本の大学の雰囲気とか内容とかがわからないままイギリスに来たので、イギリスの絶対的な良さや悪さはわかるけど、相対的な良さはわからないです。でも親のお金で受験して入学金出してもらっていても(頼んだら出してもらえたかもしれないけど)、それはそれで後ろめたかったと思うので、当時の最善の策だったと思います。

ただ、そうやってお金のことを口実に勉強をサボったのでは?怠けたのでは?と言われればそうだし、上を向き続けることや挑戦することから目を背けたのではないか?と言われればその通りで、そこに自分という人間の弱さがあるなあと思います。

●イギリスの大学は併願しましたか?

しました。ファンデーションコースのアプリケーションは9月から始まる大学があるので、滑り止めのような形で合格が早い大学から出願して行って、最後にUCLに出しました。

ちなみにUCLは毎年出願の期限が予定より1週間くらい遅れる傾向になるので、ちょっとうまくいかなくても心配しないでください。

●他の国には併願しましたか?

最初はアメリカのコミカレ経由の四年制大学進学とか、カナダへの進学などを色々見ていました。ただ、先に述べたように

①イギリスという国に対して進学を希望するそれ相応の理由があった

②特にコミカレからの編入だと、必ずしもレベルの高い大学に行けるとは限らない

というところでイギリスにしました。UCLの進学準備コースに関しては、必ずUCLに行けるわけではないという点において②と相反する可能性もあったのですが、まだ進学できる可能性の方が高いと見てこちらにしました。

●交換留学と比べて良いと思うことはありますか?

UCLからさらに交換留学に行けたり、卒論を書いたりできるところです。

●留学しなければ良かったと思うことはありますか?

なくはないですが、比較衡量して留学して良かったことの方が大幅に多いので、後悔は全く(今のところ)していないです。

あるとすれば、親との時間がすごく限られてしまうこと、高校の時の人間関係にある程度終止符を打つ形になるところかなあと思います。親が元気なうちに色々親孝行しておきたいなあと思っているのに、年に1回以下の帰省になってしまうのは自分でも寂しいところです。

高校の友人は…とは書いてみたけれど、親友みたいな人がいっぱいいたわけでもないので、まあそんなものかなあと思います。高校で仲良くしていた人だれ?と言われたらちょっと答えに悩むかもしれないです。誰をあげていいんだろう。

お金がバカみたいにかかることも忘れてはなりません。私はイギリスの大学で勉強することがとてつもなく楽しいけれど、それが自分のお金で賄えていない部分が大きいところは後ろめたさの残るところです。

あと、交換留学だと日本の大学からも英国の大学から住居等含めて与えられると思いますが、大学に進学すると自分でやらなきゃ行けないことはめちゃ増えます。

●イギリスらしさはなんだと思いますか?

難しい質問です。自分の大学が半分くらい留学生なので、どちらかといえばリベラルさ(ジェンダー、半植民地主義…)とか、現存の学問に対する批判的・先進的な見方みたいな姿勢が大学を特徴づけていると思います。イギリスらしさで強いて言うなら、植民地主義への反省とか、多様性の歴史(人種差別を乗り越え、どうマイノリティを含んだ社会を作るか)、政治学への哲学的なアプローチ(政治科学ならアメリカの方が強い筈)とかだと思いますが、学問によるところも大きいかもと思います。

知り合いにダラム大学のファンデに行った子や、KCLで歴史をやっている子がいましたが、彼女らは周りがイギリス人ばかりで保守的・白人的ばっかり!みたいな話も聞きます。だから同じ国の大学や学問でも、学部によってとか、大学の地域によって、大学生活を特徴づけるものは大分違ってくると思います。

●ファンデに行って良かったと思いますか?

思います。

学問的な面では、高校と大学の中間みたいな立ち位置で政治哲学や社会科学の前提知識・トレンドみたいなことを学べたのはよかったところでした。

人間関係的な面は、当時の友人と苦楽を共にしたので、その記憶と関係があるのはよかったなと思います。

●ファンデーションコースではどんなことを勉強したのですか?

・【必修】アカデミック英語

・【必修】リサーチ手法

・【選択】ヨーロッパの歴史・政治

・【選択】人文地理(どちらかといえば社会科学の導入という感じ)

●将来はどんなことをしたいと思っていますか?

勉強の内容を最大限に仕事に活かす形にして外交関係(分析含む)の職に就くか、勉強の道を突っ走って博士号を取りたいと思っています。どうにか双方を活かす方法があればいいなあと思います。

●大学院には行きたいと思っていますか?

高校を卒業した時から、院には行きたいと思っていました。一度民間で働いてみてから、お金と職務経験を持って院に行きたいと思っています。ただ、留学の途中で変わった部分もありました。

①院進学のテーマが決まった:教科書問題について、こういうふうにアプローチすればいいのか!みたいなのがようやく見つけられたので、その分野で進みたいです。

奨学金を取らないでいきたいと思うようになった:学士号は奨学金をいただいて勉強をしていますが、「私が今やっていることは奨学金をもらう価値のあることなのか?」と考えるたびに「そんなこともないのでは…」と悲しくなるので、次に勉強するときは完全に自分のお金で、かつ「俺の好きなようにやるぞ!!」という気持ちで進学したい。でも多分無理だと思う。

●親に反対されましたか?/どうやって説明したんですか?

されませんでした。以上。