都立高校からイギリスへ

都立高校からイギリスへ

普通の日本人の私が、UCLのファウンデーションコースを経てUKの大学に行くことにしました。

一年が終わって[学習編]

一年が終わって[学習編]

こんにちは。旅行している間にいっぱい書き溜めたので、定期的に更新するぞ〜〜(20000字くらい大放出)。UPCが終わって2週間ほど経ち、UPCが終わったのがとっくの昔のように感じられます。数回に分けて、1年間のファンデ生活の振り返りをしたいと思います。私が奨学金団体に「報告書」として出すものの下書きみたいなものなので、優しく見守ってください(保険をかける)。今回は勉強編から。

(1) 満足感がある物

①エッセイの書き方、今ならわかる

英語圏でいうEssayというのは論文のようなもので、何か学問的な調査やリソースに基づいて与えられたトピックについて自分の意見を書くものを指します。長さは2000-3000Wordsくらいが多いように思います。Research Essayとなると、自分で論文をたくさん読んで、そこからえらえる総合的な理解を文章にまとめるという行為になります。ファンデでは卒業制作(?)として3000字を2本書きましたが、学士に上がれば1年に4回ずつくらい書くのではないかな?という感じの、避けては通れない道です。

 で、このエッセイを書くという行為には複数の段階があって、

  1. テーマを決める(一番大事)
  2. リサーチをする(一番時間がかかる)
  3. タイトルを決める
  4. アウトラインを作る(一番頭を使う)

(2~4を繰り返す)

  1. 書き上げる(アウトラインがある状態なら、一番楽)
  2. 見直す(一番楽しい)

というわけですが、それぞれの段階について取り組み方を体系的に学べたように思います。特に歴史の方で、散々悩みに悩んで、数回説得力に欠けるねと言われた後に書き上げたエッセイにA+がついたので、私は嬉しかったですし、来年以降の糧になると実感しました。エッセイの中身に加えて、構成や含めないといけない内容とか。私はこういうことをファンデで学びたかったし、きちんと真摯に取り組んでよかったです。真面目にやればPay offする。

 

②プレゼンのやり方、今ならわかる

大学でのアセスメントにはエッセイのほかにプレゼンテーションの試験もあり、プレゼンもできないといけません。これもファンデで10分程度のものですが複数回練習する機会があり、

・どうやってテーマを定めるか

・何を含めるか

・どのような言葉を使うか(英語力の問題)

・どのような構成にするか

などを演繹を通して学んだように思います。もちろん英語力の問題や、質疑応答など苦手な部分もあるのですが、基本の部分を学ぶことができたので、来年以降も怖気付かずに練習していきたいと思います。

 

③リサーチの仕方、結構わかる

エッセイを書くにしてもプレゼンをするにしても、論文を読んでまとめて自分の意見を組み立てて引用文献として書いて……という作業は必ずあるものなので、そのプロセスはできるようにならないとなりません。Social Science系の論文は実地調査(データ、インタビューや具体的な分析)が含まれているのでわかりやすいのですが、歴史系だと理論が中心となっていることも多くて、「じゃあその証拠は?(First reference)」を探し出すことで、自分の意見が信憑性の高いものになるということがようやくわかりました。論文を読んでいく途中でうまく議論(Argument)とピックアップして読んでいき、見返すときにどれだけ時間を省けるか、実際に自分のエッセイやプレゼンに含めるかを検討する……リサーチエッセイを書く途中で、少しわかったような気がしたのでした。

 

(2) もうちょっとだな…と思うもの

①質疑応答関係

ファンデでは最後にどの科目でもプレゼンの試験があったのですが、プレゼンの試験というのは

  1. プレゼンの内容自体―どのようなことを議論し、結論を導き、どのように説明するか
  2. プレゼンの手法―プレゼンの構成、喋り方、身振り手振り、アイコンタクト、使うフレーズetc.
  3. 質疑応答―プレゼンの内容についての教授・フロアからの質問をどのように理解し答えるか

の3つを見られるのですが、3だけは用意できる範囲が限られていることもあり、満足のいくように進めることが難しいように感じました。質問自体も難しいことも多く、頭をスパッと回転させて話さないといけない部分と、プレゼンをするトピックについて広い知識*を持っていないと喋れない部分、そして私には英語の喋りがまだ満足のいくように流暢でない部分があり、その全てを乗り越えて初めて良い点が取れるのだろうな、という印象です。今年はプレゼンの内容ばかりに注力してしまって、質問の想定とその回答をうまくできなかったり、トピックについての広い知識が頭から抜けた状態でプレゼンに臨むことが多々あったので、来年以降の課題としたいと思います。

 

閑話休題:Broad understanding

*「広い知識(Broad understanding of the topic)」で私が言いたいのは、自分がプレゼンに絞る前の、少し浅いものの広いテーマのことです。例えば私はリサーチエッセイで19世紀前半のプロイセンの教育改革(Humboldt and Stein Reform between 1809 to 1810 and following changes until 1938)とナショナリズムの関係について扱いましたが、そこに絞る前には、

・19世紀前半のプロイセンの教育改革

↑(教育だと初等・中等・高等教育など幅広すぎるので)

・19世紀のプロイセンナショナリズムと教育/言語

↑(教育とナショナリズムについてはさまざまな理論が確立されているので)

・19世紀のプロイセンナショナリズム

↑(1971にドイツ統一を導いたのはビスマルク率いるプロイセンなので)

・19世紀のドイツナショナリズム

↑(1906カント「ドイツ国民に告ぐ(Eighth Address to the German Nation)」をはじめとして、ドイツ国民間ではナショナリズムが勃興したから)

・19世紀ヨーロッパナショナリズム(はじまり)

という順番でテーマを絞っており、テーマの背後にある「19世紀のドイツナショナリズム」でよく言われていることはきちんと理解していろよ、ということです。19世紀の宮廷でのフランス語の使用とか、中等教育期機関Gymnasium)でのナショナリズム学生運動などがこの例にあたります。聞かれてもパッと答えられなかったんだよなあ。

 

②大学出願関係―取れる成績の話

散々別の記事でUndergraduateのコースに落とされた話をしたので、ここで蒸し返すのはやめようと思いますが、同じ成績としては同じA+でも、努力してよじ登ったA+と、できる人が取るA+はやっぱり違うと思います。私は努力してよじ登った方だけれど、友人に「頭がいいが努力もして」A+を取っていく人がいて、彼女のような人たちには追いつけないなと思った(彼女は学年でベスト・小論文賞を取り、LSEに進んだ。IBと SATを半々でやったらしく、英語がペラペラではあった)。努力で行けるところもあるけれど、どうにも届かなくて、どこに行こうとしていて、何が届かなくしているのかがわからないような人には、やっぱり決して手が届かないんだなと思いました。そりゃそうだと言って仕舞えばおしまいなのですが。

 

以上、お勉強編でした。次回は生活編へ(復讐回更新し終わったら旅行記と美術館日記に移ります)👣

 

【今日の写真】

ロンドン。右手にビックベン。

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