UCAS出願を振り返る① (制度編)
UCAS出願を振り返る① (制度編)
今回は、UPCが始まってからわかった、ファウンデーションコースから大学への進学について述べようと思います。ファウンデーションコースに入る前で心配な方にも、すでにファウンデーションコースにいる方にも役立つと良いな、と思いつつ。今回は制度の説明に注力し、次回で私の個人的な経験や若干のアドバイスをまとめます。
同じシリーズの記事が離れると読みにくいので、繋げようと思うと下書きに保存したまま忘れるんですよね……
1 そもそもの話(ファウンデーションコース・特にUPCの制度について)
日本の高校からファンデーションコースに進んでからイギリスの大学に進む、というシステム的な概要については、
ついでに、UPCに出願したい方はこちらから全体の流れをつかんでいただけるかと思います。
2 学士号のコースに出願するまでの流れ
ファウンデーションコースなどの流れがわかったところで、UCASの出願について概要をまとめていこうと思います。
①全体的なUCAS出願
ファンデーションコースから進学する場合には、一般的なイギリスの高校生(A leves履修生)やIBの生徒と同様に、UCAS(University and College Application System)という窓口から大学に出願します。
1つのUCASアカウントから5つのコースまで出願することができ、多くの大学は、志望動機をきちんと記したPersonal Statementの提出と、成績要件をファンデーションコースの見込み卒業成績で満たすことによってConditional Offer(条件付き合格)をもらうことができます。
このConditional Offerというものは5月の半ばごろまでに生徒側に提示されますが、「ファンデーションコース卒業時にこの成績を取ってね」という条件がついているので、卒業時にその成績を見たせないと、自動的に進学は出来ないことになります。日本のセンター試験などでは、自分が既に持っている成績で判断されるので、その制度とは異なるということに注意が必要です。
②日程
一般的な日程は以下の通りになっています。
・10月初旬:医学部・Oxbridgeへの出願
UCAS全体のOxbridge向けの出願が早いため、UPCから出願する場合には、UPCが始まった1週目にPersonal Statementを提出する必要があります。UPCからの出願の流れとしては、
①PSを提出するー内部選考1
②筆記試験(いくつか選択肢がある中からタイトルを選びEssayを書く)ー内部選考2
③面接試験ー内部選考3
となっています。私が出した時は、Cambridge卒のHistoryの先生がPSとエッセイを読み選考いていました。私は筆記試験を受けた段階で落ちたので、面接のことはよくわかりません……笑(笑うな)
・10月〜12月:PSの用意
Tutorial(週に1回20分ある、担当の先生との個人面談)の時間を使って、学士コースのために再度PSを書き直します。それぞれの学校別にに出せたファンデーションコース出願時と変わって、UCASでは全ての大学に同じPSを出すことになるので、学問の内容に注力して書くことになります。この書き方については、UPCでもきちんと説明をしてもらえました。
・12月初旬:UCASに個人情報の入力完了(UPC内部の締め切り)/出願するコースを選ぶ
その他の大学(UCL, guaranteed or notに関わらず)に出す場合は、UPCの内部締め切りが12月初旬となっています。その時点までに以下の内容を入力します。
①住所などの個人情報
②高校の成績ーそれぞれの科目の成績を全て打ち込まないといけないので、高校の卒業時の成績を手元に用意しておく必要があります。
③出願先のコースを選ぶー上限5つで、同じ大学からは2コースまでと聞いています。UCLの場合は、UPCHから出願すれば(成績を満たせば)確実に合格がくるコースと、来ないコースがあるので、それを混ぜ合わせて、行きたい大学・コースから合格が来るように組み合わせます。
Guaranteedのコースの全貌はこちらをご覧ください。
④Personal Statementー上で準備していたPSをここに打ち込みます。
そのほかに、1学期の成績から算出される見込み成績と、Elective modulesの先生からの推薦文が自動で入力されます。これらは、生徒側はみることができないものとなっています。見込み成績の算出方法は、1学期に取った成績が基準となることは確かですが、詳細な算出方法(5%たされる/10%足される/授業内での取り組みを評価されるなど)は噂が飛び交っており、実際はわかっていません。
・1月半ば;UCASの公式の締め切り完了
全ての高校生の出願が終了します。
・2月から5月半ば:UCASの返信が始まる
合格・不合格の通知、また合格の場合はどのような条件が必要なのかが返答されます。
・6月半ば:進学したいコースを決める
1st Choice(一番進学したいコース)とInsurance Choice(1st choiceの成績を満たせなかった場合に進学するコール(=1st choiceの要件よりも下の要件を提示してきた大学に出願するのが一般的))
・6月末:UPCが終わる
今年は6月26日に終わり、ここまでダラダラと試験が続きます。
・7月半ば:UPCの終了成績が出る→それに従って進学できるか否か決まる
少しは明確になったでしょうか。あまり情報がない分野でもありますが、具体的なイメージが伝わると良いな、と思います。
実際のConditional Offerの内容や、Offerの様子について周りの友達から聞いたことについては、UCAS出願を振り返る② (体験談)でまとめようと思います。
それではまた。
(続きはこちらから)
【この前の一枚】
夜の大英博物館。先輩とご飯を食べに行った帰りに通ったらまがまがしかったので撮りました(禍々しいから撮ったのか……?)。こう言うのをみていると、どこからかニュッと紫色のナイトバスが出てきてもおかしくないなと思います(ハリポタネタです)。
ちなみにロンドンは深夜にも一部の電車・バスが運行していて、普段は「45」番のバスならLondon bridgeいき、のように番号によって行き先がわかるようにフロントに表示されるのが、夜には「N45」と言うように表示されるようになります。「ナイトバス」の概念自体は、Harry Potterに特有のものじゃないんですね。
(British Museum, 4 Nov 2020)